佐賀の真ん中で、
佐賀の環境とともに牛を育てる。
TOMMY BEEFの母体・佐賀セントラル牧場は、ムツゴロウで知られている有明海のすぐ近く。
広くて真っ平らな干拓地にあります。
周辺の畑では、佐賀・白石町名産のれんこんや玉ねぎがすくすく育ち、玉ねぎ収穫後の畑で栽培された牧草は、牛たちの餌になります。ほかに与える稲わらや米ぬかもなるべく地元のものを。有明海から風によって運ばれたミネラルをたっぷり吸収して育った牧草や稲わらは、牛たちの元気を支えています。
牧場の牛ふんは堆肥として干拓地にお裾分け。佐賀・白石町内で循環する畜産を目指しています。
牛1頭1頭と50年近く向き合ってきた、佐賀・セントラル牧場。たとえば一時期導入していた機械での餌やりを手作業に戻すなど、手間はかかっても最優先にするのは、牛たちの命を大切にあずかること。同じいきものとして、彼らの表情や食欲をうかがいながら、家族のように大切に育てています。
「白富牛」「しろいし牛」については仔牛を買い付けに遠方まで足を運び、和牛の仔牛は月に5〜6頭が牧場で生まれます。彼らの成長がうれしく、また葛藤を感じる時もありますが、牛に対していつも真摯な人間でありたい。僕たちは、今日も牛たちと生きています。
brandbeef
白富牛しろとみ
《 牧場のオリジナルブランド牛 》
長期間飼育でしっかりとした赤身肉になるまで成長させます。牛本来の旨味がぎっしり。
しろいし牛
《 佐賀・白石町の地域ブランド牛 》
黒毛和種と乳用種のミックス種。両種の長所を受け継ぐ、ほどよく脂のついた赤身肉。
佐賀県産 黒毛和種(佐賀牛)
優れた脂肪交雑(霜降り)、つややかな光沢、きめ細かな肉質などの特性のある和牛です。
牧場の継承を、肉屋という立ち位置から考えていきたい。今の時代に求められる肉を牧場直送で届けたい。そんな想いから僕は食肉学校に通い、精肉店で修行を重ねました。
幼い頃から家の横の牛舎で遊び、牛とともに育った僕が肉屋としてできること。それは牛の命と向き合い、敬意と共に寄り添うことでした。牧場で育てた牛に、僕たちの手でナイフを入れ、手渡す。僕たちにしか作れないその「命の道のり」をデザインして、伝えていく。そんな役割を果たしたくて「FARM to TABLE(牧場から食卓まで)」という言葉をコンセプトにしました。
今、TOMMY BEEFのある場所は昔、牧場でした。ここに佐賀セントラル牧場をつくったのは、僕の父・吉原和樹です。父が牧場を始めた当時も今も、牛を食肉センターに出荷すると、その後は誰が食べたのか分からないのが普通です。しかし父にとってその“普通”はどうもしっくりこなかった。佐賀セントラル牧場で安心安全な牛を育て、みなさんの食卓にもっと近い距離から届けたい。そんな思いで各地の小売店へ、直接売り込みに行っていました。思えば父の代から「FARM to TABLE」だったんですね。
TOMMY BEEFの母体である佐賀セントラル牧場では、今、和牛の繁殖を含めた一貫経営に取り組み、仔牛を産む母牛120〜200頭の規模を目指しています。さらに、これからの時代に求められる健康的なおいしさが魅力の和牛を育て上げることが、僕たちの役割だと考えています。現在の等級(ランク)に頼らない、和牛本来の美味しさを届けたいという考えがあります。そして牧場で生まれ育った牛の魅力を発信しながら、その100%を僕たちの手で流通させることもまた目標です。それは牛への敬意、牛の命とかかわる者の努めであり、牛・僕たち・食べてくださるみなさんの幸せにつながると考えています。今も未来もずっと「FARM to TABLE」であり続けます。