自らカットした45種の部位を、店主・吉原が一挙にレビュー。
対象は、佐賀・白石町の地域ブランド牛「しろいし牛」のお肉です。
さっぱり柔らかな赤身肉に、和牛の脂肪分と香り高さをかけあわせた
ヘルシーで満足感の高いお肉。読めば読むほど食べたくなります。
オンラインショップでは希少部位の盛り合わせも販売中。ぜひ食べくらべを。
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赤身の王様と呼ばれる最高級部位です。サーロインの内側にあり、細長い形状です。ほとんど運動しないこともあって、肉質は特にきめ細かく、柔らか。脂肪も控えめでヘルシーです。1頭の牛から取れる重量はとても少なく、全体の2%ほど。実をいうとTOMMY BEEFのヒレはかなりの良心価格。どうぞみなさん、驚かれませんように。
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細長いヒレの中で中心にあり、もっとも上質な部位。断面は大きくないので、ステーキなら厚くカットして、ゆっくり弱火でレア寄りのミディアムレアに仕上げて。赤ワインは渋みが少なくすっきりしたものが好相性。
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ヒレの中でもリブロースに近い場所にあり剣先のように薄くなる部位。ヒレは基本赤身で、ヒレ先に向かうにつれて少しずつサシが入ります。用途は焼肉用。塊のまま焼き、その後にカットする調理法も◎。焼きすぎ厳禁。
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ヒレの中でもモモに近い場所に位置する部位。シャトーブリアンと同じ筋肉とそれを包む筋肉から成り、ともに最良質な肉質。シャトーブリアンの倍ほどの断面があるため、贅沢に大きめなステーキとして楽しめます。
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英国王よりサー(Sir=英国の栄誉称号)が名付けられたおいしさ。ヒレと並ぶ高級部位として知られ、「ステーキの王様」とも呼ばれています。場所はちょうど牛の背中の中頃。お肉のきめが細かく、柔らかく、見栄えも完璧。背中側の脂はいわゆる「背脂」で味わいも格別。サーロインの脂だけは価格がつくほどなのです。
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あまり運動しない体幹の部位なので、赤身肉のしろいし牛にも美しいサシが入ります。食べ方は絶対にステーキ。牛肉の中で最も上質な脂の風味をお肉にまとわりつかせ堪能してほしいです。焼き方はミディアムレアで。
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サーロインを構成する脂・スジ・細かな筋肉をきれいに取り除くことで現れる、サーロインで最も大きい筋肉の部位。お肉の旨味をそのまましっかり楽しめる、贅沢な部位。分厚く豪快なステーキとして楽しみたいです。
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サーロインのなかでも牛のお尻の方に近い場所で、ももと接している部分。ロース芯と同じ筋肉と、赤みの強いモモの筋肉(断面の上部)とが重なり合っています。サイコロステーキで食べるのがおすすめです。
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肩ロースとサーロインの間に位置するロース部位。肋骨がある辺りの背中部分に位置します。どっしりとした厚みの肉で、肉質はきめが細かく柔らか。サシ(霜降り)が入りやすく、旨味と風味が豊かな上級部位です。アメリカではリブアイロール(メインがリブアイで、それをぐるっとロールしているお肉という意味)と呼ばれています。
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複数の筋肉と筋肉の間に脂が噛んでいるため、スライスして調理すると赤身と脂のバランスが最高。おすすめは、すき焼きかしゃぶしゃぶ。赤身の部分でしっかりとしたお肉の味を、脂の部分でこってり感を楽しめます。
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リブロースの赤身だけを抽出した芯の部分で1頭の牛からとれるのはごくわずか。日本ではあまりなじみのない部位ですが、海外では美味しさと贅沢さで知られる存在です。厚さ5cmくらいのステーキでいただきたい!
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リブロースの上部にかぶっている2つの筋肉がロースかぶり。リブロースをステーキにする際はここをはずします。脂やスジを取り除いたら焼肉用に。霜降りも入る赤身肉なので、薄く切って炙って食べるのが美味です。
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肩ロースはその名のとおり、リブロースよりも肩側にあるロース部位。頭側から肩ロース→リブロース→サーロインとつながるイメージです。しろいし牛の場合、赤身の中にくっきりと入った美しいサシが特長。TOMMY BEEFでは「すき焼き以外、選ぶ理由がない!」と考えるほど、すき焼きに適したお肉です。
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サシが入りやすく、風味も豊かで、柔らかな肉質が特長。実はTOMMY BEEFですき焼き用として提供するお肉は、すべて肩ロース。それくらいすき焼きにぴったりの部位だと思っています。しゃぶしゃぶにもおすすめ。
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肩ロースのなかでも、美しいサシがまんべんなく入り、旨味たっぷり。第三のロースとも呼ばれています。和牛の場合、厚切りにすると少々脂っこいけれど、赤身肉のしろいし牛ならば厚めのステーキがオススメです。
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首のつけ根部分のお肉。牛が食事をする時に最も動く場所なので、筋肉が発達し、肉質は硬めです。しかし、味は濃厚。煮込み料理に使えばポテンシャルを発揮してくれます。同じ煮込み用のスネよりもスジは少なめ。
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牛の胸部分にある肋骨(あばら骨)を覆うように位置している、バラ肉。かたばらとも呼ばれています。まえばらがおもしろいのは、まったく個性が異なるふたつの部位が隣り合わせているところ。三角ばらといえば霜降り、ブリスケットと言えば赤身が、それぞれの特長なのです。
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サシが入り、ビジュアルも美しい三角ばら。焼肉屋で「特上カルビ」といえば、この部位がよく使われます。用途は焼肉とサイコロステーキ。焼きすぎに注意しながら、脂が溶け出すタイミングまでしっかり火を入れて。
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赤身で力強い旨味があるため、炒めもの、焼肉、煮込みとあれこれ使える部位です。焼肉なら軽く火を通してミディアムレア。塩だれが合います。TOMMY BEEF 吉原からは「シチューにしたらもう最高!」と伝えたい。
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肩甲骨辺りから腕までのお肉です。焼肉屋さんでも目にする希少部位6種類が集合した部位で、食べ比べが楽しいところ。よく運動する筋肉の集合体で、硬い肉質と柔らかい肉質が入り組んでいるため、カットするのもおもしろいです。すき焼きにすると赤身と霜降りの両方を1枚で堪能できます。
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みすじの上にある平べったい部位。牛1頭につき2kgほどしか取れないので、希少性はかなり高い。しっとりとした色気のある肉質は、レアに焼いていただくのが一番。お肉の味を楽しむため、味付けは塩だれか塩で。
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肩甲骨の裏側にあるお肉。お肉の真ん中に入るスジが特徴的な希少性も高い部位。ステーキや焼肉がベストで、脂が溶けだす瞬間が食べごろ。お肉の厚さによって食感が変わりやすいので、カットには集中力が必要です。
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肉の味がしっかりと楽しめる赤身で歯ごたえもなかなか。お肉ツウのファンに愛される部位。焼肉ならば、焼きすぎは厳禁。レアに仕上げて、塩やわさび醤油で肉の味を堪能したい。軽めの赤ワインや日本酒と相性◎。
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ブリスケットからつながる部位で、旨味が強い赤身です。牛1頭からとれるのはわずか1kgほどの希少な存在。繊維は粗めで食べごたえがあり、噛んで楽しむお肉と言えます。「肉を食べている」感がいい!
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冬場のシチューの季節に思い出したい希少部位といえばこちら。用途は煮込み用です。 じっくり煮込めば、スジはトロトロにとろけ、赤身はホロホロとほどける食感に。ダシを取るのにも最適な部位です。
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そのままでローストビーフに。カットして焼肉に。しっかりした赤身で、肉汁も豊富な部位です。焼肉ならば、ぜひレアで。さっぱりと醤油や塩コショウでいただきましょう。濃厚な赤ワインとよく合います。
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まえばらよりも背中側にある部位です。脂肪が多いので、トリミングすると重量が半分ほどに下がってしまいます。運動を良くする部位なので、繊維や膜が多く、きめも粗め。でも、赤身と脂が適度にからんで、味わいは濃厚。肉の風味をしっかり感じられます。
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三角ばら(あばら骨のまわりのばら肉)と同じ筋肉で、霜降りがしっかり入っています。焼肉では脂がとろりと溶けるまで焼くのがナイスなタイミング。甘口のたれ、わさび醤油、そしてなんと言ってもビールによく合う!
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なかばらのなかでも、ヒレ頭と一番近い場所にあるカイノミ。ヒレの上品な美味しさを兼ね揃えたバラ肉と言えます。肉質はとても柔らか。用途は焼肉がベスト。レアよりのミディアムレアで正面をカリッと焼くと美味。
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中落ちカルビとも呼ばれる部位で、あばらの骨と骨の間のばら肉。旨味のある赤身と荒々しく入るサシで、こってりした味わい。余分な脂が落ちるまで焼き、タレは甘口か辛味のあるタイプが相性◎です。
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なかばらから続く、お腹側のばら肉です。TOMMY BEEFおすすめの希少部位2種を含みます。繊維や膜が多く、きめは粗めですが、赤身と脂身のバランスは素晴らしく、お肉らしい味わいを存分に楽しめます。トリミングすると重量が半分ほどに下がってしまう部位でもあります。
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いわゆるカルビは、主にこの部位です。脂こってりの部分、赤身と脂のバランスがいい部分があります。余分な脂をしっかり落とすように焼き、濃厚なタレや辛口タレで。飲み物はビールとハイボールで決まりです。
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横隔膜・ハラミの近くの腹横筋。肉質もハラミに近いので上質な旨みがあり、ファンになる人続出中。炙る程度にレアで焼き上げて、タレは醤油か塩コショウで肉の味を楽しんで。クラフトビールにも合います。
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ささみとも呼ばれる部位。肉質はきめが細かく柔らかで、赤身とサシのバランスが最高。こってりし過ぎていないばら肉として好まれています。表面はカリッと焼き上げて、濃いめの赤ワインやハイボールで!
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「THE 赤身肉」である、内もも肉。牛の後ろ足の大腿骨の内側のお肉です。カットする前のもも肉は、どっしりした丸い形で、大きな大きな筋肉のかたまりです。その中にしっとりと柔らかな部分もあれば、荒々しい赤身もあります。個性いろいろなのです。
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大きなお肉のため、ステーキにしておいしい肉質、ローストビーフにぴったりの肉質、煮込み用におすすめの肉質と、3つの肉質に分かれます。今回の★の数はステーキ用の基準。用途にあわせてカットします。
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ステーキに向いている部分、ローストビーフに向いている部分があります。大ももに比べるとよりしっとり感があり、柔らかい食感。味わいはさっぱり淡白です。大ももと同じく、こちらも場所によって肉質が異なります。
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ほとんど商品化されない希少部位。もも上部にあるうちももかぶりの中に潜んでいる赤身の部位で、多くは切落しや挽肉として加工されます。赤身肉にスジが入るので食べ応えのあり、薄く切って焼肉でも楽しめます。
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後ろ足の大腿骨の外側のお肉です。ももの中でも特によく運動する部分なので、赤身肉が多くなっています。いわゆる筋肉質なので、肉質はきめが荒くて、硬めなのですが、調理の仕方で面白くなる部位でもあります。
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そとももの中ではきめ細かいので、薄くスライスしてしゃぶしゃぶ用に。ローストビーフ用にもGOOD。肩ロースに比べると、あっさり目の味わい。煮込みすぎると固くなるので注意しましょう。野菜巻き用にもおすすめ。
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TOMMY BEEFではローストビーフにすることが多い部位。かたちが金の延べ棒に似ていることからこの名前がつきました。肉質はやや粗く、弾むような弾力があり、食べごたえ◎。薄切りをさっと炙ってわさび醤油で。
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大腿骨と脛骨の関節をおおっている部分。人間で言えばふくらはぎのヒラメ筋です。ゼラチン質が豊富なので、煮込み料理に向いています。繊維が粗めなので、焼肉用にするなら薄めにスライスするのがおすすめ。
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はばきを分割した時、その中心にあたる部位。納豆を包むワラのような形状で「すじが1000本ある」のが名前の由来。牛一頭に2本(300〜400g)のみの希少部位。ごく薄く切ってコリコリしたNEW食感を焼肉で。
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もも肉に分類されるお肉のなかでも背中側に近いのが、らんいちです。背中に沿って位置するサーロインから続く、上質で玄人好みの部位。TOMMY BEEF吉原も大好きな部位であります。ただ、繊維の流れはとても特徴的。カットには技術と知識が必要とされます。
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赤身肉ではあるのですが、繊維が細かくなめらかで、脂肪もほどよくあり、柔らかさも十分。ステーキはゆっくり火を通してレアで。焼肉にするなら片面焼きで、中心がピンクになっている状態がベストです。
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ランプの中に含まれる棒状の部位で、ランプの中で最も柔らかな部分。その柔らかさはヒレ並みです。きめが細かく、肉汁も豊富で、しっとりとした肉質はぜひステーキで味わいたい。焼き過ぎ注意です。
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肉の色も味わいもしっかりしている部位。ステーキはじっくりゆっくり火を通して、レアで。焼肉の場合は脂が溶けだすまで焼きましょう。お肉本来の味をダイレクトに楽しむために塩や醤油でいただきます。
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イチボはランプに寄り添う部位。そのイチボの先端部分を、ヤリと呼んでいます。赤身肉のしろいし牛ですが、このヤリの部分は非常にサシが多くて柔らか。赤ワインならボルドー。日本酒の熱燗とも相性◎。
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名前の通りネクタイのような形状。しっとりとした赤身の肉質で1頭につき300gほどの希少部位。表面を軽く炙る程度で、しっとり感・柔らかさ・旨味を堪能できます。TOMMY BEEF吉原も好きで焼肉で食べています。
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涙の雫のような形をした部位。赤身が多く「ともさんかく」「かめのこ」「まるしん」「まるかわ」の4部位に分割できます。それぞれ違う肉質で、特長が異なるのもおもしろい。TOMMY BEEF吉原がいちばん好きな部位のひとつです。
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赤身と霜降りの最高傑作。もも部位のなかでは霜降りがしっかり入り、赤身の旨味も同時に堪能できます。焼肉で、脂が溶けだすまで焼き、シンプルに醤油でいただくのが一番。酒は濃厚な赤ワイン。純米酒の熱燗も。
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しんたまの中で最も赤身が多い部位。厚みがある側が最も柔らかく、徐々にしっかりとした肉質になります。ローストビーフで旨味を堪能したい&焼肉ならさっと炙ってわさび醤油で。赤ワイン、甘口の日本酒を冷で。
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きめ細かで濃厚かつ柔らかな赤身が自慢。柔らかで舌触りも良く、一度食べたら忘れられないはず。焼肉はほんの少し炙るだけで。わさび醤油か塩ダレが好相性。お酒は軽めの飲みやすいワインや冷の日本酒。
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赤身の濃厚な部分ときめ細かな部分があり、お肉本来の味わい・旨味をしっかり楽しめます。おすすめは焼肉。レアで焼き上げ、塩だれでお肉のコクを堪能してください。フルーティな赤ワインと合わせると最高です!
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いわゆる「弁慶の泣きどころ」の部位で脂肪分が少ないのが特長。しろいし牛の場合はなおさらです。よく動く筋肉なので繊維は荒く、硬さもあります。その分、煮込み料理に使うと濃厚な旨味が溶け出し、ほろほろに。一般的なカレー用のお肉はもう使えません!
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ウデ(前足)のすねの肉。にのうでの先についています。運動量が多いので、脂肪分はほとんどありません。だしを取るのに適していて、カレーやシチューはもちろん、おでんにも。コラーゲン(スジ)が多い部位です。
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まえすねの中にある部位。「粗く、硬い」というすねのイメージとは少し違い、すねの中でもひとつ上の肉質を持っています。煮込み料理にはもちろん、薄くスライスし焼肉用でも楽しめます。
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後ろ足のすねの肉。特長はまえすねと同じです。すねはリーズナブルで味が濃いので、使いこなしたい部位。圧力鍋で調理すると早く柔らかくなります。脂肪分も少なくてヘルシーです。